あしたのお嬢

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財閥令嬢であるお嬢は有名私立女子高のマドンナ的存在。

その美貌と品位で、皆に憧れの眼差しを向けられる存在だった。

しかし家庭環境は寂しいものだった。

財閥会長である父は仕事にしか興味を示さない男で、

二人の関係はもう何年も前から冷えきっていた。

幼い頃に母と死別し、暖かい家庭の思い出は記憶の中にあるだけ。

裕福ではあるが、愛情の無い家庭に今では嫌気さえ感じていた。

ある日、お嬢は父親の書斎で一通の手紙をみつける。

それは死んだと聞かされた母親からの手紙だった。

お嬢に会いたいと父親へ当てた手紙

『なぜ嘘をついていたの！！お父様！！』

『あいつはお前を捨てて出て行ったのだぞ！！』

次の日、お嬢は身一つで家を出た。

母に会うために。

手がかりは一つ

じいやから聞いた

『奥様はたいへんボクシングが好きなお方たでした・・・』

心の片隅に残る母親の面影

自分にもあるかもしれない暖かい家庭の愛情を求めて

会いたい、なんとしてもお母様に・・・

そう、お嬢は決心したのだ。

ボクシングチャンピオンになれば母親に気付いてもらえるかもしれない、と。

そして、お嬢はジムの門を叩くのであった・・・